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使用者責任

2021.12.08

会社とは誰のものか?

だいぶ前になりますが、ホリエモンこと堀江貴文氏がニッポン放送買収の際、大きく取り上げられました。 では会社の目的は何か? 考え得る答えの一つに利益を上げる事が挙げられます。ステークホルダーを満足させるために、従業員を雇用し設備投資をし会社利益の最大化を目指します。従業員を雇用した事で、利潤という恩恵の対価として使用者である会社は様々な責任が生じます。その一つに使用者責任(民法715条)というものがあります。

使用者責任とは、使用者(会社)は被用者(従業員)が事業の執行について、第三者に加えた損害について賠償する責任を負う事です。ただし、被用者(従業員)の事業に関する監督について相当の注意をした事を証明できれば免責となります。

最近は自転車通勤もエコや健康の観点から認めている会社もありますが禁止をしているある会社Xの例を挙げます。 就業規則では自転車通勤は原則認められてはいませんが、社員Yはそれを無視し通勤に利用の後、通勤途上で事故を起こし第三者Zに対して損害賠償義務が生じた場合、労災でカバー出来なかった時には使用者責任として会社Xの責任が問われる可能性があります。しかし、①就業規則にも定め、②監督者である経営幹部から再三の注意喚起があった場合には、それが客観的に証明出来れば会社は免責される可能性は高いと言えるでしょう。会社としては、注意喚起を徹底することで従業員の安全を確保し、本来の意味での使用者の責任が全うできるのではないでしょうか。